01. アゲンスト
ソロ活動を始めるにあたり、軸となる曲を作ろうと熱量をもって着手しました。
他の曲の歌詞にも出てくる”鳥”や”鏡”など共通のキーワードを散りばめております。
Geminids2 とは一線を画したサウンドメイクでアニソン風の高速ロックナンバーに仕上げました。
聴きどころはGemiでもいつもお願いしている関根氏による圧巻の速弾きギターソロです。いやがうえにもテンションが高まります。
02 あなたがいて
神月マホ本人の自作曲で、アコギの弾き語り音源を元にアレンジを膨らませました。
大サビは天空に続く階段を手を繋いでゆっくりと登っていくイメージです。
ミドルテンポですがスネアを表拍にすることで気持ちが高まっていくスピード感が出るようにアレンジしました。
生バンド風のアプローチと打ち込みによるソフトシンセ音の自然な融合を目指した音色で構成しています。
03 Mathematics Love
理系テーマの曲を創ろうと思った矢先、”Mathematics Love〜♪”のサビが鼻歌で出てきて一気に書き上げました。
テーマがはっきりしていると作詞も捗ります。
コード進行ですが
イントロ：C／B♭／Am／Fm(onA♭)
Aメロ：B♭／F(onA)／A♭6／C(onG)
サビ後半：Am／Am(onG#)／G／D(onF#) と
下降進行を順次展開させることで曲全体の統一を図っています。※キーはCにすべて移調しています
04 Silent Screaming
作詞は書くのが早くてほぼ手直しもしないのですが（核になるアイデアを決めるのには手間を要します）、この曲に関しては、茫漠とした心象風景を表現するのになかなか形が見えてこず苦心しました。
“閉じたままのオルゴール 錆びついたメロディ〜”の冒頭フレーズが思い浮かんで後に続くフレーズが導かれてきました。
アレンジは遠くで柔らかく鳴っている音と近くに寄り添う音とがうまく共存する立体的な音像を目指しています。
05 Ballet Marionette
舞台から類推してバレエをモチーフにしました。フランス語の響きを楽曲に取り入れてみたかった事も要因のひとつです。
1番と2番のAメロに”鏡”と”髪”が共通して登場しますが、それぞれのシーンで対比的な意味を持たせることで時の経過による主人公の成長を表現しています。
キックの4つ打ちを使わないダンサブルな楽曲にしようとメロディックなベースのフレーズに細かく絡むキックでグルーヴを構築しています。
06 Splash! Boarding Winter
スノーボードがテーマになっている曲は巷でも意外と珍しいのではないでしょうか。
BPM184（楽曲の速さ）はジョギングにも丁度良い軽快感です。
高速ラップがこのアルバムの聴き処のひとつでもあります（私は仮歌でろれつが回らず歌いこなせませんでした。）。
カウンターパートにブラスセクションを使っていますが、吹奏楽部出身なのでアレンジは身体に染み付いています。
07 カーネーションズ
ストレートな思いを込めたメッセージソング。
普段、言葉で言いにくい気持ちも音楽に託せば直球を投げることが可能なのです。
いつか管弦楽曲を書くことが目標なのですが、ストリングスのスコアを書くのはスリリングで面白いです。
08 Neo Color Generation
未来を謳った『Humanity』の続編となるナンバー。サビの音型を一部揃えることで両曲に関連性を持たせています。
現代はますますリアルとバーチャルの境界が曖昧になっており、インターネットによって無限の可能性が広がっています。
日本語と英語詞を和洋折衷させることでカオティックな世界を表現しました。
サビの【Am／D7／G7／C】は使ってみたかったコード進行でようやく世に出せました。
09 グッドナイト ヘブン
某遊園地をモチーフにしようとつくり始めたのですが
一捻り加えて舞台を夜に設定しています。
構成は【1番 Aメロ⇒サビ⇒2番 Aサビ⇒サビ⇒大サビ繰り返し】初めてのアプローチを試みました。
伸びやかなロングトーンのメロディに幻想の世界を漂うような、浮遊感のあるボイシングを重ねました。
アルバム全体が1本のライブのような構成となっており、これが本編のラスト曲、以降のリミックス2曲がアンコールのイメージです。
10 Rainy days Cafe (Acoustic Rain mix)
打ち込みをしていると音の隙間をつい埋めたくなるのですが、リミックスでは楽器の数も最小に留め引き算の美学を追求しました。
当時マイブームだったサックス・チェロをソロ楽器として取り入れています。
元アレンジはGeminids2のアルバム
『Cosmic Lovers』で聴くことができます。
11 Humanity (sincerely wishing mix)
キック4つ打ちに、アルペジエーターを走らせたシーケンスパターン。ベースがグルービーに動き回るのはよく手掛けるアレンジなので、リラックスして編曲にのぞみました。
元アレンジはGeminids2のアルバム
『Twinkle Universe』で聴くことができます。
アルバムタイトルは制作当初から、
Geminids2が2つの言葉で構成しているのに対してソロは1つの単語に、
そして歌詞の中からから引用しようと思案しました。
「シンシアリー」＝「心から」。
「敬具」の意味合いでも使われており『カーネーションズ』に出てくる感謝の手紙へと、蔦の葉のように脈々と繋がっていきます。（T.HASE拝。）
